
数年前からホラー漫画を描いている色白ゆうじろう(@mrwhiteblogger)さんは、SNSを中心に短編漫画を公開している。独特な世界観がなんとも魅力的で、どの作品も続きが気になってしまう。今回はX(旧Twitter)に投稿されている中から漫画『離岸流(1)~(3)』を紹介するとともに、著者に本作を描いた理由などについてもインタビューした。

ある年の夏、中学生のA子さんは瀬戸内海のとある町の海辺にやって来る。A子さんは水泳が好きで遠泳の経験もあり、水着姿で海に入って楽しんでいた。
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けれど、ふと気が付くとA子さんは海岸からだいぶ離れ、沖の方へ泳いできていた。その状況に驚いて慌てて岸に向かって泳いだが、どんどん沖へと流されてしまう…。

A子さんはパニックになりかけ、いくら全力で泳いでも沖へと流されてしまい、そのうち高い波に囲まれて方向感覚すら失うことに。

A子さんの体力は尽きていき、やがて死の恐怖が襲いはじめる…。『このままじゃ…溺れちゃう…』と思った時、突然一人の青年がA子さんの手をつかんでくるではないか!?
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A子さんは「ありがとう…!私泳ぎは得意なのに、何故だか全然戻れなくて…」と話すと、青年は「これは離岸流といって、沖へ向かう流れなんだ」と説明をする。離岸流による水難事故は後を絶たない。

岸と平行に泳いで離岸流から離れれば岸の方へ泳げるようで、青年は「僕につかまって!案内するよ」「僕は高校の水泳選手だからね。心配いらないよ」と言って、A子さんを案内する。

A子さんは青年につかまりながら泳ぐと岸が見えてきたので、青年は「ほら!助かった!」と言ってようやく岸にたどり着く。
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すると海岸にいた人たちがA子さんを心配して集まってきたので、「この人のお陰なの」と言って青年の手を見てみると、そこには骸骨になった腕だけがあった。

その後すぐに警察と海上保安官が来て、この骨は数週間前に海で行方不明になった高校生のものだとDNA検査で判明。彼は離岸流で流されたA子さんを、自身の経験をもとに幽霊になって助けたのだろうか…?
――本作を描いたきっかけについて、お聞かせください。
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知人から「離岸流」に流された恐怖体験を聞きました。あまりの恐ろしさから「救われる」怪談を書きたいと思ったのがきっかけです。
――高校生のお兄さんが助けに来てくれたとき、A子さんは幽霊のような雰囲気を感じなかったのでしょうか?
A子さんは必死だったので感じなかったのでしょうね。冷静であれば「なぜこんな沖に、人が独りで?」と違和感に気づいたかもしれませんね。
海では離岸流に注意をしながら遊んだ方がよいだろう。色白ゆうじろうさんはほかにもホラー漫画を公開しているので、興味があればこの機会にぜひ読んでほしい!
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取材協力:色白ゆうじろう(@mrwhiteblogger)
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