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映画『美しい夏キリシマ』の脚本などを手がけた松田正隆さんによる傑作戯曲を、気鋭の演出家である玉田真也さんが監督&脚本を務めて映画化した『夏の砂の上』。 本作で主人公の小浦治を演じたオダギリジョーさんは、主演に加えて共同プロデューサーを務め、さらにキャスティングから完成に至る全工程で本作に関わったという。


治の姪を演じた髙石あかりさんとの撮影エピソードや、本作を作り上げていく過程で感じたこと、昔は苦手だったという「エンタメ作品」に対する意識の変化などを語ってくれた。


撮影=三橋優美子


オール長崎ロケを敢行した撮影「多くの映画監督が“撮りたい”と思う場所なんだなと実感した」


――松田正隆さんの戯曲を映画化した本作の脚本を読まれた時に、「これは良い作品になる!」と感じてプロデューサーを買って出たとコメントされていました。本作のどんなところに惹かれたのでしょうか?


【オダギリジョー】昨今の日本映画は、どちらかというとビジネスの側面が強く、作家性や芸術性という文化的な側面は軽視されているように感じます。ビジネスはやはりリスクヘッジが必要だから、原作ものやテレビドラマの映画化といった企画が増えるのは理解できますよね。それゆえ、インディーズのオリジナル企画はなかなか作ることが難しい現状が続いています。


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