満たされているはずなのに幸せを感じることができない男・おいでやす小田さん。さまざまな芸人に「幸せ」について聞きまくるYouTubeの人気企画が、『幸せってなんですか? おいでやす小田と14人の芸人が本気で考えてみた』のタイトルで待望の書籍化!
本記事はこちらの書籍から一部抜粋・編集してご紹介。今回は銀シャリ鰻さんとの対談から。幸せを感じるために行っていることとは?
一番底につくと、あがるしかない!
小田:「幸せな芸人」として鰻の名前が挙がりまして。ジョイマンの池谷くんから。
満たされているはずなのに幸せを感じることができない男・おいでやす小田さん。さまざまな芸人に「幸せ」について聞きまくるYouTubeの人気企画が、『幸せってなんですか? おいでやす小田と14人の芸人が本気で考えてみた』のタイトルで待望の書籍化!
本記事はこちらの書籍から一部抜粋・編集してご紹介。今回は銀シャリ鰻さんとの対談から。幸せを感じるために行っていることとは?
小田:「幸せな芸人」として鰻の名前が挙がりまして。ジョイマンの池谷くんから。
鰻:僕もそれチラッと耳にして、YouTube見ました。池谷、同期なんですよ。
小田:鰻に話したら「うれしいっすわ、出させてくださいよ!」ってなるのかと思ったら、なんか不満そうな、ずっと奥歯に物が詰まったような……。
鰻:小田さんがこういう企画やってるのは聞いてたんです。「幸せな芸人」で自分の名前出たらうれしいなと思ってたんですよ。
小田:そやろ。
鰻:で、いざ池谷の動画を見たら、あんまうれしくなかった。
小田:俺がその話をした時、鰻の第一声が「えらい舐められたもんですわ」。
鰻:ははは!
小田:何をどう受け取ったらそうなるん(笑)?
鰻:これね、小田さんがよくない。
小田:なんでよ?
鰻:人の幸せをね、他人が決めたらダメです。
小田:ははは!ちゃうやん。別に決めてへんやん。幸せかどうか、俺は断定してへんよ。何が気に入らんの?
鰻:たぶんね、幸せって人それぞれなんですよ。
小田:それはそう。人と比べたらあかん。それが、どう捻じ曲がったら「舐められたもんですわ」につながんの?
鰻:それは、小田さんが思ってるような「舐められたもんですわ」じゃないですよ、きっと。
小田:まあまあ、とりあえず聞くわ。
鰻:まず「幸せとは」からいきますよ。たぶんこれやと僕が思うのは「上がり幅」。
小田:おー!もう辿り着いてんねん、そこは。
鰻:「上がり幅」と、どこに「軸」を置くか。
小田:何?軸って。
鰻:何が幸せで何が不幸かの軸をどこに置くかで全然違う。
小田:下に軸を置けば置くほど幸せを感じやすいってこと?
鰻:そういう人はずっと幸せです。「ご飯を食べられたら幸せ」とか。
小田:はいはいはい。
鰻:ただ、みんな人間なんで。人間って慣れるんで。慣れると軸が上がってきよる。だから「軸をいかに下げるか」って話にもなってくる。
小田:それで言うとな。たまに雨の日、ベッドで寝ながら外でびしょ濡れで倒れてる自分を想像する。「家があってベッドがあって、なんて幸せなんや」って思うことがある。
鰻:いいじゃないですか!めっちゃ下げてる。
小田:その感覚があるのに、幸せを見失う時が多々ある。
鰻:じゃあ、軸を調整する何かしらを買うてきたほうがいいです。
小田:それ、そんな簡単に買えんの(笑)?ほんなら鰻はそんなふうに思いながら生きてるんや。
鰻:そうやって生きようとしてるんですけど、これがまたムズい。「慣れ」がめちゃめちゃ厄介。小田さんは雨でしたけど、僕やったらお金を「全使い」する時あるんですよ。
小田:鰻、結婚してるやんか。
鰻:結婚する時も、お金全部なくしましたし。結婚資金も借金やったんですけど、借金を味わうとちょっとお金もらえるとめっちゃうれしい。
小田:はいはい。
鰻:そういう状態にちょくちょくしてる。家買うたり。コロナの最中の「この先どうなんねん」の時に家買うた。最高潮の不安です。
小田:ちょっと待ってくれや。あかんがな。
鰻:ゾクゾクしましたよ。
小田:お前、やばい考え方してるやん!
鰻:一番底つくと、上がるしかない。「不安」がないと「幸せ」はないんです。
小田:その瞬間はいいけど、トータルだと幸せじゃないんじゃないの?
鰻:えっとね……「幸せって瞬間」なんやと思います。
小田:あー、そういうこと。
鰻:幸せを保ち続けるのはめちゃくちゃ難しいから。
小田:その理論で言うと、毎月の給料日はめちゃくちゃ幸せで、残りの29日が不幸せな気がする。
鰻:それを分割していけたらいいなとは思ってます。
小田:あえて不安なところに身を置いてんの?
鰻:あえて置く時もありますし、自然と不安になる時もあります。「財布なくした」ってなったらショックですけど、ある意味ラッキー。
小田:……まあ、わからんでもない。
鰻:これが原点。お腹減った時の普通の飯、めっちゃうまいのと一緒。
小田:財布とか携帯なくしたってなって、出てきた時の喜びなんか……生きてるだけで幸せ。下痢で大便我慢してる時は、出しただけでとんでもない幸せ。
鰻:それを味わいたいがために、極限までうんこ我慢したことありますもん。
小田:はははは!俺が聞きたいのそんな話じゃない!
鰻:でも、こういうことなんですって、幸せって。ギリギリまで追い込んだらいいんです。僕、趣味が全部そんな感じですもん。原付ですごい遠いところまで行くとか。自分を追い込んだ時の飯、あと風呂、めちゃくちゃいい。
小田:ドM気質なん?
鰻:今現在もそうですよ。セスナの免許、960万円ですもん。
小田:え?
鰻:セスナの免許取りに行ってるんですけど。960万なくなる。
小田:免許取るだけで?セスナの機体は別やろ?
鰻:別です。レンタルだったら一回10万円以下でいけます。漫才の営業それで行きたい。
小田:大赤字やん。
鰻:大赤字ですけど、絶対幸せなんで。その瞬間が。
小田:すごい。ギャンブル気質やなぁ。
鰻:ギャンブル好きで、今はやめてますね。ギャンブルも、ご飯食べられてへん時期のギャンブルが一番おもしろかった!
小田:そうやろな。
鰻:当たった時にガッツポーズしたことあります?周り気にしてない瞬間。
小田:うわー!鰻は特殊やな。ニュータイプ。
鰻:ニュータイプですか?共感の嵐かと思ってました。
おいでやす小田さんが「幸せ」を感じられる日は訪れるのか?今後の対談もお楽しみに!
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