
自身や友人の体験漫画や、子育てに関するコミックエッセイをブログ等で発表している漫画家のなかきはらあきこさん。家族とのドタバタの旅行体験記「たった2日でイタリア旅行」や、子育てに関する「里帰り出産したら大失敗した話」「娘が顔面麻痺になった話」など、ときにユーモラスに、ときにシリアスに語られる日常は、読者から共感や関心の声があがっている。本記事では、そんななかきはらさんの作品のなかから、「ワケあって結婚したくありません ~プロポーズがこわい~」を紹介。本作のキャラクターやその背景について話を聞いた。
30歳を超えて周りからのそれとないおせっかい(圧力)もあり、気が進まないながらもマッチングアプリに登録してみたゆり。そこで出会ったのが、自分と同じ映画好きのはる君だった。緊張しながらも初デートにのぞむ二人だが…?
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――いざ初デートに臨んだ2人。主人公のゆりは、映画好きが高じて張り合うような、挑むような気持ちを最初持っていますが、結果、マニアックな限定公開の映画をチョイスしたことがピタッとはまったようです。このあたりはいかがでしょうか。
なかきはらさん:ゆりは「映画オタク」の自負があるので(笑)、期待してないと自分に言い聞かせていましたが、心の奥底では自分と同じような「映画オタク」な人を期待していたと思います。そうしたら自分以上に「映画オタク」な人が来たので戸惑ったけど、内心うれしかったんです。自分の好きな世界を共有できるのってよいですもんね。
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――デートを重ねるうちに、パートナーを積極的には求めていなかったゆりの心境に変化が訪れます。大きなポップコーンをシェアしながら映画を見て、終わったあとは感想合戦をして…。ゆりの心境はどんな風になっているのでしょうか。
なかきはらさん:ゆりは“一人で完結できる人”だったんですよね。自分の世界も趣味も持っているし、無理に誰かと過ごさなくても満足できる。でも、はる君と過ごすうちに、「なんか今、楽しいかも」っていう小さな変化が積み重なっていく。
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ポップコーンをシェアしたり、映画の感想を言い合ったり、何気ない瞬間が“居心地いい”って感じられるようになって、ふわっと気持ちが変わっていく。すごく自然な流れだったので、自分で描いていて「ああ、こういう恋っていいよな」って思いました。
――楽しい時間と恋の予感にふわふわしていたゆりですが、結婚観について話さないと…とテンションが落ちます。彼女にとって、「結婚観を確認すること」はやはり重要なポイントだったのでしょうか。
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なかきはらさん:めっちゃ大事ですね。というか、ゆりにとって“結婚”って単なる制度じゃなくて、“自分の過去と向き合うこと”でもあるんです。今まで見てきた大人たちの結婚観とか、自分が刷り込まれてきた価値観とか、全部くっついてくるからこそ、簡単には踏み込めない。
楽しい時間を過ごしていても、「このまま話さずにいていいのかな」と不安がよぎるし、それを確認しないと前に進めないタイプ。テンションが落ちるのは、はる君が大切な人になってきたからだと思ってます。
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初デートを経て、お互いの趣味が合うこと、話が合うこと、一緒の時間が楽しいことを実感しながら距離を縮めていく二人。ゆりも恋愛に前向きになってきて、自分にとって大事な「結婚」についての話を切り出した。しかし、はる君の方はそんな深刻には考えていない様子で…?二人の今後にどう響いてくるのか、気になるところだ。
取材協力:なかきはらあきこ(@nakakihara_hibi)
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