「ストリートファイター6」の大ヒットやゲーム配信文化の人気を背景に、ゲームの垣根を超えて多方面へ盛り上がりを見せる格闘ゲーム界隈。その広まりは、いよいよコンセプトカフェにも進出した。2024年11月、池袋にオープンした「れじぇび」は、eスポーツカフェ&バーと銘打ち、キャストとともに格ゲーの世界を楽しめる店舗。同店のプロデュースするのは、eスポーツチーム「La VISION。」プロデューサーで、格ゲーマーとしても高い実力と知名度を誇る“総師範”KSKさん。れじぇびを訪れたファンダムプラスは、KSKさんに前例のない「格ゲーコンカフェ」を立ち上げたきっかけや店の楽しみ方、そのビジネスモデルについて話を聞いた。
コマンド入力でキャストが“必殺技”をくり出す!?ゲーム配信のパイオニア・総師範KSKプロデュースのeスポーツコンカフェ「れじぇび」を徹底解剖
伝説のゲーセンの系譜に連なる「格ゲーコンカフェ」誕生のワケ
――はじめに「れじぇび」を立ち上げたきっかけを教えてください。
【総師範KSK】この店のオーナーから「お金は出すから、一緒に店をやってみないか」と僕に声がかかって。格ゲー界隈で顔が売れていて、コミュニケーション力が一番高いということでプロデューサーに抜擢されたんです。そこで、ゲームの話ができる女の子と会話を楽しむ“eスポーツカフェ&バー”というコンセプトを考えてオープンしました。
――「れじぇび」という店名の由来は?
【総師範KSK】「Gamer's VISION」(※神奈川県横浜市にあったゲームセンター)ってご存知ですか?僕は以前、そのオーナー店長をしていて、「伝説のゲームセンター」なんて言われていました。既に閉店してしまったんですが、れじぇびはGamer's VISIONの系譜でもあるんですよ。スト6の「レジェンド」ランクにちなんで「レジェンズビジョン」、それを縮めて「れじぇび」です。
――「れじぇび」はどんな楽しみ方ができるお店なんでしょうか?
【総師範KSK】実はコンセプトカフェと直接掲げてはいないんですが、内容としてはいわゆるコンセプトカフェやガールズバーと同じような楽しみ方ができる店です。こくじんやどぐらみたいな僕の友人のゲーマーだったり、SFLに出るような選手たちの配信をパブリックビューイングのように店内で流して、それをキャストの女の子と一緒に観ながら話したり、食事やお酒を楽しんだり。名前は出しませんが、格ゲープロの選手や有名なストリーマーも気軽に顔を出したりしますよ。
――(メニューを見て)高いシャンパンも置いてありますね。プロゲーマーの方はやっぱりこの辺りを注文したり?
【総師範KSK】プロはね、意外とお金を使わない(笑)。れじぇびは安いと3000円ぐらいしかかかりません。初回だと1時間飲み放題で1500円ですし。
――えっ!とてもリーズナブルに感じます。
【総師範KSK】格ゲーやってる人って、こういうお店に慣れてないんですよ。だから、女の子がいるお店でお金を使う文化がそもそもない。
――有名な格ゲーマーが足を運ぶのは、そういう新鮮さがあるのかもしれないですね。プロデューサーがKSKさんという安心感もあって。
人気キャストはお店にいない!?配信時代ならではの「Vキャスト」
――オープン準備にあたり、特にこだわった点は?
【総師範KSK】新規のコンカフェって、ガールズバーみたいな同業種のお店が潰れたあとに居抜きで借りるのが一般的で、このテナントももともとはガールズバーだったんです。なので内装はできていたんですけど、それがちょっと気に入らなかったので、全部ぶっ壊しちゃったんですよね。まっさらで何もない状態にしてから今の内装を作ったので、めちゃめちゃお金はかかりました。
――店内には配信スペースみたいなところもありますね。これはどのように活用されているんでしょうか?
【総師範KSK】ここはキャストの女の子が主に閉店後に配信するスペースです。No.1の子は営業中にもけっこう配信してますね。スト6の対戦配信だったり、キャストの中には旦那さんがKOFの超有名プレイヤーでKOFがものすごく強い女の子もいて、それ目当てで来る海外のお客さんもいます。それと、お客さんとキャストがチェキを記念撮影するスペースも用意しています。
――接客の部分では、れじぇびならではの部分はどんなところにありますか?
【総師範KSK】1つは、Vキャストと言って配信越しにVTuberがキャストとして働いています。実店舗に立つことはないんですけど、彼女が自分のチャンネルで配信していて、その時は店内に映像を流して、お店にVTuberがいるような感じで。
――配信文化との親和性も高い、eスポーツバーならではのおもしろいシステムですね。
【総師範KSK】配信中に遠隔でドリンクを上げられるようにもなってます。投げ銭の代わりに遠隔でシャンパンを入れる、みたいな感じですね。その売り上げが店全体で1/3ぐらいを占めていて、この子自身もここ三カ月ぐらいNo.2です。そういうネット活用が店の軸の1つになってきていますね。
遊び心をくすぐる「オリジナルコマンド」システムとは?
――ビジネスモデルが新しいです。それと、キャストの方ごとに「オリジナルコマンドがあって、入力すると必殺技を披露してくれる」という設定も気になっています。
【総師範KSK】たとえば、「ビール10杯まとめて頼む」というコマンドを入れたら、キャストが「お客さんの名前を呼んでパフォーマンス」という必殺技を出す、という形です。女の子ごとにコマンドや技は違っていて、他の子だと「ドリンク3杯をまとめて注文するとVTuberの物まねを披露する」だったり。
――遊び心のあるサービスをしてくれるわけですね。
【総師範KSK】こういうサービスは、多分キャバクラだともっとお金がかかると思います。れじぇびはドリンクが1杯1000円なので、ビール10杯なら1万円なんですよ。だから1万円で、ちょっとしたライブみたいなことが観られたりします。
――「格ゲーマーは遊び慣れていない」というお話がありましたが、金額の設定も我々のような層にも手が届く感じになっている気がします。
【総師範KSK】他のお店のオーナーに言われるんですけど、うちは価格設定が安すぎるらしいです。実際、お客さんがめちゃくちゃいっぱいいても、売り上げがあまりいかないときがけっこうあって(笑)。できれば池袋、ゆくゆくは東京で一番の店になりたいんですけど、コンカフェもなかなか手ごわいですね。
インフォメーション
・SFLなどのesportsイベントのパブリックビューイングを予定
・カウンターは時間無制限2500円飲み放題で安く飲めます
・新規の方はワンタイム(40分)無料
・新規の方を連れてきてくれた方もワンタイム無料
・お通しテキーラ6杯無料
【店舗情報】
店名:れじぇび e-sports cafe & bar
住所:〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-42-4 サンライフビル 地下1階
アクセス:JR・東京メトロ・西武・東武各線「池袋駅」東口より徒歩3分
営業時間:18:00〜25:00(L.O. 24:30)
定休日:火曜日
公式X:@legevi_ecafe
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