大筋の情報だけ伝わるようにして、あとは読者があれこれ想像して楽しんでもらえたらいいな
作者のさく兵衛さんは、重大な決断をしたあとに「いまのこの行動は最善の選択だった」と考えたり、「もしほかの方法を選んでいたら実は酷い目にあってたかも」と空想することがよくあり、そうした思考から今回の作品が生まれたのではないかと思っているそうだ。
本作は、主人公・メイが前半でさまざまな不運に見舞われる一方、後半では出来事の意味が一変する構成が特徴的だ。さく兵衛さんは、「よくわからない占いが実は本人の知らないうちに当たっていたというあらすじだけ思いついたので、『では本人が気づかないような幸運とは?』ということをひたすら考えていました。ほどほどな幸運というのが意外と難しかったです(笑)」と、物語を組み立てる際に苦労した点について教えてくれた。
今回のような構成では、どの範囲まで描写するかが重要そうだが、さく兵衛さんは「個人的に『あれは結局なんだったんだろうな…』という不思議な話が好きなので、大筋の情報だけ伝わるようにして、あとは読者があれこれ想像して楽しんでもらえたらいいなと思って作りました」と話す。
さく兵衛さんは、占いに翻弄される素直でかわいらしいJKを描くために、表情の変化に力を入れたそう。また、後半では「複数の人間の視点で描くので、読者が混乱しないようにいろいろと注意しました」と語った。ぜひ読む際には、これらの点に注目して読んでみてほしい。
取材協力:さく兵衛(@sakubetaro)