本作は「最後まで読んだ後に、1ページ目の絵を見ると切ない」「才気びんびんって感じですごくおもしろい、品のよいミステリー」などのコメントが届く。ようらさんが漫画を描き始めたきっかけは、「これというきっかけはなくて自然と描いていました。小さいころから、チラシや折り紙の裏に延々絵を描いて、そのうち自分でキャラクターを作ってストーリーを思い浮かべながら描く…ということを小学生くらいからずーっとやっていました」という。
「プロを目指していた時期もあったのですが、いろいろと苦しくなってきて、お恥ずかしながら辞めてしまいまして…。pixivやホームページなどで描くようになって、ありがたいことに読んでいただけたり反応をいただけたりして、とても楽しく描いています。なので、描きたいものを自由に描き続けることが今一番の目標です」と、ようらさん。
本作は、暗匣(あんばこ)シリーズの第一話。創作の経緯を聞くと「双子の話が描きたいなぁと思ったのが始まりだった」とか。「双子といえば、王道は『すり替わり』だと思うのですが、そこを捻った展開のものを作りたいと考えまして。写真と遺影がイコールになることを思いついてから、『遺影・双子』のテーマで話を構築していきました」
特にようらさんは「謎めいたものが大好き」なようで、「まずは自分が知りたい、解き明かしたいと思うようなものを話に組み込んでいます」と話す。カメラが映し出した、笑顔の裏に隠された「怒り」「苦しみ」「悲しみ」。この本当の意味がわかると、すべての謎が解けるとともに、言いようのない切なさが漂う。
取材協力:ようら(@nw5dB8UL5z61936)