津夏さんによると、同シリーズのもともとのアイデアは「おまじないレベルの医術で本格漫画を描く」というもの。ただ、思いついた当時は漫画を描き始めてまもなく、「画力や構成力が全然足りずうまく表現できないもどかしさがありました」とコンセプトどおりの作品が作れなかったという。
その後、前述の「4コマ1000本ノック」をスタートし、作品作りのレベルが向上。「1年経ってあらためて挑戦したところ、驚くほど大きな反響をいただきました。これに味をしめて、シリーズ化として続けていこうと思いました」と、同シリーズが生まれた経緯を振り返る。
普段のアイデア出しでは自分でテーマを設定してその中から考えるスタイルで、なかでも仕事中に思いつくことが多いという津夏さん。本シリーズのようにキャラクターやシチュエーションを共有する作品では「4コマだけですべてを完結させなければならない一発こっきりのネタと比べて、続きもの作品は描く側としてはとても考えやすくて楽ちんではあります(笑)」と話す。
一方、「シリーズ作品や続きものの漫画は新たな読者が付きづらい印象があるため、なるべく初めて目にした人でも読みやすい内容にしなければと意識して考えています」と、SNSで発表する作品としての難しさも教えてくれた。
取材協力:津夏なつな(@tunatu727)