自分を追いつめすぎず、幸せに生きられますように…
本作を描くきっかけについて森本さんは、「数カ月はスランプで、絵も描けない、漫画も描けない状態の時期がありました。かねてより患っていたうつ病も悪化し、仕事を辞めて実家に戻らざるを得ない状況になってしまいました。
そんななか、回復するきっかけになったのが10年来の友人の存在。それも踏まえ、「自分の中にあるものを全部吐き出すつもりで描いた漫画だったので、SNSに上げることも考えていませんでした」と、制作時も辛い状況にあったことを吐露した。
“笑顔の仮面”で自分を偽る主人公の姿にたくさんの共感が集まっている。森本さんは「人間、悩みの種は違えど、自分を偽って生きていくことはたくさんあると思っています。それは『こうしよう!』って思ったからすぐに解決するものでもないですし、他人にとっては『それだけのことで?』と思うことでも、自分にとっては死を天秤にかけるほど苦しいことだってあると思っています。
ただ、意外と些細なきっかけで心の重りを軽くしてあげることもできるものだと考えています。今回、やっちゃん(主人公)にとってのそういう部分を描ければ、と思って作った作品なので、そこを見てもらえるとうれしいです」と、本作の見どころを明かしてくれた。
最後に、森本さんは「共感の声をたくさん頂けてうれしいです。この漫画に共感していただける全員が『自分を追いつめすぎず、幸せに生きられますように…』と思っています。この漫画で救われた人が一人でもいるのであれば、自分も報われます」と、読者へメッセージを寄せた。
取材協力:森本淳士 (@ihsuta3)