
元ゲーム会社所属デザイナーで、現在はストーリー漫画をメインに執筆している吉良いと(@kilightit)さん。個人で作品を公開・販売するほか、商業誌にも作品を掲載するなど、精力的に活動している漫画家だ。代表作「ようこそ亡霊葬儀屋さん」は、「このお話ほんとに好きです」「1度見た事あるはずなのに泣いてしまった」など、多くの読者に感動をもたらしている。
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亡き母の思い出が詰まった最後のお弁当に後悔と涙が止まらない



学生のヒロトは、母が毎日作ってくれる弁当を食べずに残していたが、ある日突然その母が亡くなってしまう。葬儀社の烏丸に「立ち直れない」と打ち明けると、「それでいい」と寄り添われるも、ヒロトは「弁当を食べなかった自分には悲しむ資格がない」と悔しさを吐露する。そんなヒロトに、母が唐揚げを弁当に入れ続けた理由が語られる――それは幼い頃に「世界で一番好き」と言ったから。ヒロトは最期の弁当を食べ、あふれる思い出に涙を流す。
作者の吉良いとさんは、本作「幽霊が視える葬儀屋さんと閉じられた弁当箱」について、特に思い入れのあるエピソードだという。「このお話はこれまで描いた『幽霊が視える葬儀屋さん』シリーズのなかでも特に思い入れのある作品です」と語る。作者自身も片親で育った経験があることから、「母にはずっと迷惑をかけっぱなしで。プロットを書いているとき、さまざまな感情がリンクして思わず泣いてしまいました」と制作時の心境も語ってくれた。
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読者の心にも深く響いたこの作品は、X(旧Twitter)では1.8万いいねを記録し、「今回も最高でした!」「息子のいる私には刺さりすぎて涙腺が…」「葬儀屋さんの漫画で過去一泣いたかもしれない」と多くの共感の声が寄せられている。
“完全に立ち直れなくてもいい。少しずつでも前を向いていけたら”。本作には、そんな優しく寄り添うメッセージが丁寧に込められている。
画像提供:吉良いと(@kilightit)
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