昔の作風とは変えて、試行錯誤しながら1話目の原稿の下書きをしたところ、気づいたらかなり清野先生寄りの作風になっていました。「ご迷惑おかけしてはいけない」と思い、事前にご本人にも確認していただいたところ「いっそ、もっと寄せてよ」とおっしゃっていただけたので、全力で寄せさせていただきました。お礼にサイゼリヤ赤羽店でご馳走する約束をしましたが、まだ果たせておりません。
――「ラストに驚く!」というコメントを多く見かけました。本作の見どころを教えてください。
ページの背景の色をエピソードごとに「白」「黒」「スクリーントーン」の3種で構成してみたのですが、その色を意識しつつ読んでいただければ、また違った味わいが醸されるかと思われますので、ぜひお願いいたします。
――読者のみなさまにメッセージをお願いします。
このたびはお読みいただき本当にありがとうございました。 愛猫家さんたちから、思ってた以上にたくさんの反応をいただけて、とてもやり甲斐を感じました。こんな自分でも生きてていいんだなって、人生を肯定してもらえたよう な、前向きな気持ちになれました。感謝してもしきれません。
――今後どのような漫画を描いていきますか?
漫画を猫くのは本当に大変な作業だと、今回あらためて思い知らされました。 単行本という1冊の形にさせていただけただけで十分奇跡だと思っているので、当分漫画を猫くつもりはありません。それよりも近所の猫を愛でたり、YouTubeの猫動画を見たりしながら「水曜日のネコ」を飲んで、ひっそりと余生を送っていきたいと思います。ありがとうございました。
単行本のラストまで読んだ人は、インタビューを読むとさらに「なるほど~」と納得いただけるのではないだろうか。コメントには「むしろホラー漫画」という人も。まだ、未読の方はラストまで読んで「え…?」と驚いてほしい。猫飼さんの猫愛は、「描く」を「猫く」と表記する。決して誤字ではなく、これほどまで強い猫愛を示しているのだ。
取材協力:猫飼太陽(@nekokaitaiyou)