アイデアや展開も王道に“逆張り”、等身大の大人が主人公の「魔法少女もの」
三倉さんによると、「魔法少女 三十路」のアイデアは、SNSで注目されるような強烈な始まり方になるような題材探しの中で生まれたという。
「大人や男性が魔法少女になる作品はいくつか知っていたのですが、いずれも変身後は魔法で若くなったりかわいくなったりするものでした。だったら逆張りをして『“30代のOLそのまま”だったら目立つのでは!?』と思い、始まりました」
“逆張り”という考え方はストーリーや演出にも通じており、三倉さんは「“流行っている魔法少女”をそのままやらないことを意識しています」と、王道やトレンドの展開に対して俯瞰的な目線を取り入れる形で作品に反映しているという。
また、ギャグ作品でありながらも、主人公のようこが「30代の魔法少女」という括りでは言い表しきれない一人の大人として描かれているのも大きなポイント。「ようこの世界観はリアル寄りにして、アニメや漫画みたいな展開は起こらない“等身大の生活”を常に意識して描いています」と話す一方、「ようこがそんな女の子なおかげでギャグができてますが、その分スカッとする展開を作るのが大変です」と、ようこと同様の板挟みがあることも明かしてくれた。
取材協力:三倉ゆめ / ヤングキングBULL(少年画報社)